病理検査
定期CTまであと1週間と言うところで、手術した傷跡の近くに1cmに満たないくらいの赤いイボができていることに気づく。居ても立っても居られずすぐに電話、当日に受診していただいた。局部への麻酔の激痛を耐え、イボは切除され病理検査へ回された。生きた心地がしない。気持ちが落ち込む。精神が蝕まれているのが分かる。
「定期CTまでには結果は間に合わないと思う」と言われてはいたが、結果が芳しくなかった場合、予定より早く電話が来ることを知っている。定期CT当日の朝、電話が鳴った。慌てて、終話ボタンを押してしまった。切れる電話。すぐに折り返すも、要領を得ない上にたらい回しにあう。勘弁してくれ。こちらは頭がおかしくなりそうなのだ。涙がぼろぼろと溢れる。「用事があるならまた電話が来ると思います」という返答に力なく応じ、電話を切る。間もなく、留守電の通知。放射線科の医師からで、今日の診察はキャンセルで、という内容だった。安堵と脱力。今日一発目の放射線科の診察がなくなったので、予定より少し遅い時間に到着する。採決の受付を済ませると、「確認事項がありますので、座ってお待ちください」と。こんなことは初めてである。勘弁してくれ。こちらは頭がおかしくなりそうなのだ。しばらくして、何でもないようなお顔で採血の受付票を渡されたので「あの、確認とは...?」と伺うと、何でもない用事であった。勘弁してくれ。
CTを撮る前に、造影剤で吐き気が出るようになったことを伝える。「戻してしまったことはなく、時間をおけば落ち着きます」と伝えたが、「じゃあ造影剤はなしで」ということになった。それじゃあせっかく撮ってもきちんと写らないのではないか?という疑問はまさにその通りで、「ぼやっとはしてますけど大丈夫だと思います」という大変心許ない結果を聞かされる羽目になった。病理検査の結果が聞けないなら、せめて画像で安心を得たかった。これからずっと造影剤は使えず、こんな感じなのだろうか。「造影剤は使えないのですが、〇〇さんとしては如何ですか?」と聞かれたりもしたが、「不本意ですが従うしかないです」以外の返答が思い浮かばなかった。何を訊かれているのかが分からない。だってそれしか選択肢なくないか?結論ありきで相談してくる、面倒くさい女みたいなこと言ってるんじゃないよと思った。なるべく良い患者でありたいという思いは山々だが、ただでさえ心が疲弊しているのだ、こういうやりとりで更に神経が擦り減っていく。
「結果が芳しくなかった場合、予定より早く電話が来ることを知っている」と書いたが、その後連絡が来ることはなく、予定通り受診当日を迎えた。
朝1番に婦人科、ホルモン値が閉経してる人のそれということでピル的なものを処方していただく。
次に放射線科。放射線の後遺症による炎症はずっと続くものの、頻度や強さは落ち着いてくるだろうとのこと。カルテを見ながら、病理検査を受けたんですねと聞かれたので、ここ2週間生きた心地がしていないことを伝えると、「じゃあ結果だけ手短に」と病理検査の結果を教えてくれた。結果、異常なし。泣きそうになったがグッと堪えてお礼を言う。放射線科の先生は気持ちに寄り添ってくれるので本当にありがたい。
そしていよいよ骨軟。病理検査の結果は...異常なし。うん、さっき伺った。でも改めて安心。詳細というと、肉芽に相当するもの、という検査結果だった。アッサリというか淡々とした感じで伝えられたので、なんだかなあ...と思いつつも、結果良ければ全て良しという気持ち。2年間が再発の可能性が高く、1年半経ちましたねと放射線科で言われていたものの、化学療法が終わったのが今年1月なので、1年半...?と思ったが、カウントは手術からということらしい。そして5年は最低でも経過観察ということなので、気長に行きましょうと言われる。性格的になかなかね...と思いつつ、はいと返事をする。
循環器科はCTに映った血栓を検査した時に、コレステロールが高いということでかかるようになった。薬を飲んで数値が改善したものの、身体に痛みが出たような気がした。そうなったらすぐに服薬を中止するようにと言われていたので飲むのをやめ、そのことを伝えるため急遽受診した。筋肉が溶けて腎臓がダメになる...という恐ろしい副作用があるらしい。ただ、私としては痛みが気のせいで副作用でなければ飲み続けたいという思いだったのだけど(受付でもそう伝えていた)どうも行き違いがあったようで「薬止めるしかないね!あとは自分で頑張って!次の予約も消しちゃうね!」と強く言われ面食らった(そして腹がたった)。服薬の意思があることを改めて伝えると、誤解が解けたようで「副作用って感じでもなさそうだけど、何かあったら連絡してね」と、消した診察予約も復活してもらえた。一安心。先生もスタッフの方もお忙しい中での対応なので責めはしないが、豆腐メンタルの私としてはもう少しお気遣いいただけると幸いである。
というわけで、メンタル的にボロボロの約10日間だった。生きた心地はしないし急に涙が出てくるし何をしていても治療中のことを思い出したら絶望したり...本当に苦しかった。
元気づけてくれたり、診察に付き添ってくれた夫に感謝。
次は来月末までお休み。無事、年末年始を迎えられますように。それでは、また。
定期MRI
前回の日記から3ヶ月も経過してしまった。
定期MRI検査を受けたので、その結果を聞いた。いつもお世話になっている病院のMRI検査は3ヶ月先まで予約がびっしりなため、検査は別の病院で受けることが多い。今回もそうで、検査後に簡単な所見を聞いたところ「白い影が...」と仰っていたので、今日まで気が気ではなかった。主治医の話では、再発ではなく炎症を起こしているだけなので問題ないとのことだった。手術と放射線の影響で水が溜まっていたり、炎症が起きやすかったりする。とはいえもう1年以上経っているわけで、一体いつまで続くのでしょうかと尋ねると「一生」との答えで面食らってしまった。炎症が起きるのはバイ菌に抵抗できないからで、それは手術というより放射線の影響が強いのだそうだ。放射線で受けたダメージは、基本的には一生もので、回復どうこうということではないらしい。放射線を受けたところは、もうバイ菌に対抗するだけの元気がないらしい(壊死しかけていると言われた。壊死って言葉強い...)さながら焦土という感じだろうか。私の場合、疲れたり精神的に強いストレスを感じた時に傷が痛み出し、酷い時は悪寒からの高熱でダウンする。そうかこれが一生...というのはやはり気が重い。でも仕方ない。
今回はもう一つ受診があって、循環器科である。CTで大動脈に血栓のようなものが見えるので、循環器科にかかるようにとのことであった。初診で、血栓ではないがコレステロールかなあ...と仰られて、今年の健康診断でコレステロールに引っかかったことをお伝えした。採血と心電図を受けて、再度診察をとのことで、想像よりずっと長丁場になりそうだなあ...などと思ったりした。と思ったら割とすぐに診察していただけたのでありがたかった。コレステロールはやっぱり高くて、脂肪肝で...ということで痩せましょうね^^ということと(適正体重を言われて噴飯した)、コレステロールをコントロールするお薬をいただいた。糖質制限をするあまり、味の濃い肉に頼り切っていたのがいけなかったのか...いや、運動不足が大いにあるな...と反省し始めたらキリがない。「焼きそばにマヨネーズを付けて売るのが悪い。ああいう食べ方を普通とするような売り方は」というのは先生の言葉。本当に仰る通りです先生...
不正出血があまりに続くのでメノエイドコンビパッチの使用を止めたあたりから、肌(特に目元)が異常なまでに乾燥するようになった。粉を吹くとかではないが、ひび割れている。アイシャドウを乗せた時が悲惨で、いくら保湿をしても全く意味をなさないので、どうしたものかと頭を悩ませている。最初は加齢か?と思っていたが、そういえばパッチをやめていたことを思い出した。原因はホルモンの関係のように思う。次回の婦人科で相談しよう。
来年の2月と4月の検査予約を取った。来年の話をすると鬼が笑うなんて言うが、年の瀬が近づいているのだなと思った。誕生日もクリスマスももうすぐである。生き延びていることに感謝。
それでは、また。
定期MRI
定期CT検査
前回の診察から2ヶ月が経った。しかし、正確にいうと経過したのは1ヶ月だ。職場復帰した直後、大きく体調を崩した。全身の痛み、高熱、吐き気等...そのうちお尻が真っ赤に腫れ、座っているのもままならない状態になった。手術したところに水が溜まっていて、そこにバイ菌が入ったのではないかという診断だった。普段であれば抵抗力でどうにかなったのかもしれないが、復帰直後で相当な疲れがあったので対応しきれなかったのだと思う。処方された抗生剤を飲んだらすっかりよくなった。月曜日は診察日ではなかったにもかかわらず(休日受付に電話したら月曜来てくれって言われたからさ...)診察してくれた先生に感謝。
しかし、そのあと同じような症状を何度か繰り返した。腫れる場所は手術痕だったり足首だったりと様々だったが、弱っているところにでるのかなあなんて思ったりした。手持ちの抗生剤も底を尽きたので、次の診察の時に相談しよう、などと思っていた。そうこうしているうちに、定期的なCT検査の日がやってきた。
はじめは婦人科。抗がん剤と放射線治療の影響で卵巣の働きがほとんどなくなってしまったとのこと。確かに治療を始めてから1度も生理が来ていない。抗がん剤も放射線もハードだったので、生理がきていたらと想像するだけでゾッとする。抗がん剤でただでさえ吐きそうなのに生理痛まで?放射線で焼け爛れているところに生理の血の海?無理すぎる。治療を終えてからも生理がないことはとてもハッピーだったりするのだけれど、このままとはいかないようだった。ホルモンがうまく分泌されないと、骨粗鬆症になったり、他にも色々問題があるそうだ。ということで、ホルモンが配合されているテープを処方してもらった。3日に1回貼り替えるらしい。場所はお腹付近であれば割と自由ということで、肌荒れの心配もなさそうだ。服薬という方法もあるにはあるらしいが、吐いちゃったりすることがないとも言えないので(そのあたりはピルで経験済み。ものすごい恐怖だった)、テープにしてもらった。しばらくは不正出血の心配があるらしい。とりあえず1ヶ月、様子を見てみましょうねということだった。
次は放射線科。なんでも放射線治療から11ヶ月が経過したそうだ。約1年。「時間が経つにつれ、再発の可能性は下がっていきます。まずは1年、良い形で迎えられましたね」とのことで嬉しい。定期的な通院は10年先まで続くと聞いているので気が遠くなるが、それでも最初の一歩はあるわけで。3月に撮ったMRIを見ながら、傷口周りが炎症を起こしていると説明を受ける。普段は免疫で炎症を抑えているけれど、それが何らかのきっかけで弱まると、炎症がブワッと盛り上がるんだそうな。復職直後から苦しめられているのはこれが原因なんだろうとのこと。放射線的には幸い、あまり何をするということもなく、次の診察は半年後。
次はCT。造影剤の注射で初めて失敗される。嘘だろ。このために採血は左でしたというのに。
最後は骨軟。CTの結果は異常なしで一安心。お守り的に抗生剤を貰っておしまい。次は2ヶ月後のMRI検査。
というわけで、ほぼ半日かかっての受診でくったくた。でも、何事もなかったのは本当にありがたいことで。願わくば、このまま健康な日々が続きますことを。
それでは、また。
MRI検査
前回のCT検査から1ヶ月と少し経った。幸い体調を崩すこともなく、今日まで1度も病院に行かずに済んだ。抗がん剤がようやく身体から抜けていったようで、爪の黒ずみは新しい、きれいな爪が伸びてきたことで半分ほどになったし、髪の毛も少しずつ生えてきた。顕著なのは食欲で、元々の大食いにすっかり戻ってしまった。復職まではまだ時間があり、無闇に外出するのも良くないので在宅の日々が続いている。そんな中でこの食欲を抱えるのは少々つらいものがある。カロリーの摂取と消費のバランスが全くとれない。でも、食欲は元気のバロメーター。戻ってきてくれたのはやはり喜ばしい。それから不眠と便秘もすっかり解消された。きちんと入眠できる幸せ。しかしなかなか起きられない。三大欲求なんていうけれど、私の場合は食と睡眠で6:4である。食べることと同じようにまた、眠ることも大好きだ。このところ復職に向けて早寝早起きをしているけれど、正直あまりできていない。あんなに眠れなかったのに、今はとにかくずっと眠いのだ。特に朝。全然起きられない。予定がないのに(早起きする必要がないのに)早起きするというのができない。どうしても無職に甘えてしまう。復職したら否が応でも起きなければならないので、ややぶっつけ本番で慣れてもらうことにする。食欲の回復に伴って便秘も解消された。はたらく細胞の乳酸菌&癌の回に触発されて、納豆、めかぶ、キムチ、ヨーグルト、オリゴ糖、舞茸、ブロッコリースプラウト...腸に良さそうなものをゴリゴリ摂取している。その甲斐あってお通じの調子は絶好調で、今のところ人生で1番だと思う。が、正直どれが効いているのかは分からない笑
1ヶ月ぶりの病院。これまでは体調の面もあってタクシー通いだったけれど、久しぶりに電車に乗った。駅から病院までは少し距離があるが元気に歩いた。幸せだ。都内では桜が満開になったそうで、名所でなくてもあちこちで綺麗な桜を見ることができた。ザ・春爛漫という陽気だ。上着は要らなかったか。袴姿の女子とすれ違う。卒業式かな?私もです(多分)、と心の中で呟く。また、世界に戻ってこられたのだと思った。涙が滲む。同時に、まだ戦っている人もいるのだと、忘れたくないと思う。
保険関係の書類も依頼した。過去の持病の関係で大した保険には入れなかったが、公助もあったため充分だった。母がかけていてくれた保険もある。母は預金ついでと言うが、それでもありがたいことに変わりはない。
検査を終え待合室にいると、すっごくお世話になった放射線科のナースさんが声をかけてくれた。優しい。治療が終わったこと、今日が最後の検査であることを伝えたら喜んでくれた。何かあったらいつでも来てね、とも。温かい。
先生とも今日でお別れ。今日は始終イントネーションが関西だった。ご出身、関西なのかな?今までそんなこと1度もなかったのに?と思うも、特につっこむことなくお礼を言ってお別れ。
MRIの結果は、異常なし。これでめでたくオールグリーン。「勝ち取った」と言いたい気持ちは山々だが(私、よく頑張ったと思う。自分で自分を褒めてあげたい)、それでも「与えられた」の方がしっくりくる。感謝を忘れず、ひたすら生きようと思う。
4月から復職の予定である。まさかの有給残機ゼロで開始早々ピンチだけれど、また、がんばろう。