鼓動、千々に

闘病記。あした天気になあれ。

抗がん剤キャンセルと血栓性外痔核

1週目:入院での24時間抗がん剤投与(済)

2週目:通院での抗がん剤投与(済)

3週目:通院での抗がん剤投与(中止、今ここ)

ということで、今週の抗がん剤投与が中止になった件と、それに至るまでの経緯をつらつらと。

先週の火曜日。診察から帰ってシャワーを浴び傷口を確認すると、結構な範囲の皮膚が剥けていた。良くなりましたと報告してきたばかりなのに、なんてタイミングの悪さ...放射線の皮膚炎が回復しても抗がん剤で悪化することもあるから気をつけて、と言われたばかりだったので、ああこういうことかと落胆した。これから骨髄抑制で白血球が減少するから、感染症がひたすら怖かった。結果としては皮剥け部分に関しては感染症には至らなかった。手術した側でもあったので痛みも少なくて済んだ。問題は、肛門だった。放射線皮膚炎で酷い痔を患ったが、症状としては腫れ(ぷにぷにしてる、1日で引く)・出血・痛みであった。だが、今回の痔は出血はほぼなし、腫れ(かなり硬い、全く引かない)・痛み(前回も酷かったが、前回の比ではないほど痛い)と散々なものであった。調べてみると「血栓性外痔核」という種類で、要は肛門にできる血豆のようなものらしい。血行が悪くなるとできるようで、ああ確かに入浴できてなかったしなあ、でも皮膚炎があるんだから無理だったんだよ仕方ないじゃないと思った。これがものすごい激痛で、立っていても座っていても横になっていても痛い。藁にもすがる思いで調べると、1週間から10日もすれば血豆が破れるか吸収されるかされて楽になることが多く(入浴かカイロが有効)、手術でも短時間で済むらしい。お尻にカイロを貼りつつ、前回の皮膚炎でもらっていたオキシコドンがあったので、それを飲んでどうにかやり過ごしていた。

ようやく診察の火曜日になる。快方に向かうとされる1週間が経ったが、痔の痛みはピークに達していた。この日は通院の日。抗がん剤治療を受けるため、起きてすぐに検温を行う。軽い頭痛があった。痔の痛みと比べると全く大したものではないけれど。骨髄抑制による貧血で酷い頭痛を経験したことがあったので、もう貧血きちゃったかー...と思った。結果...f:id:hapimi:20200730183838j:image驚愕の39.1℃ ええ...人生で1番の高熱だあ

悪寒や熱っぽさ、自覚症状がまったくなかったので、本当に驚いた。真っ先に浮かんだのはコロナ。思わず、机の上にあったクッキーを口に運んだ。バターの香りが鼻を抜ける。ちゃんと美味しい。嗅覚も味覚も問題なし。それから、咳はまったく出ていない。ということを今日が受診日であることと併せて病院に電話で伝えると、とりあえずマスクをしっかり着用して時間通りに来るよう指示された。

病院に着いてから検温、採血等を済ませ待っていると、呼び出しのベルが鳴った。先生が血液検査の結果を説明してくれる。骨髄抑制の真っ只中(白血球と好中球はどん底どん底、ほぼ無い状態)で、かつ炎症反応が結構な数値に跳ね上がっていた。熱が上がったのはこのせいだった。この日の抗がん剤は中止。白血球を上げる注射(ジーラスタ)を打って抗生剤を処方され、次週の入院から抗がん剤を予定通り進めましょうとなった。初っ端から躓いちゃいましたね...と力なく笑うと、初回の抗がん剤は強いですから、良くあることですよと慰められた。治療が予定通り進まないのはやっぱり焦る。この後もこういう事はたくさんあるんだろうなあ...痔の方は先生は専門外なのでよく分からないけれど、今は血が止まりにくい、傷が治りにくい状態なので処置は難しいだろうとのこと。この痛みが続くようなら考えなきゃねとも仰っていたけれど。

その日はとぼとぼよろよろ帰宅。あまりの痛さに増量してもらった麻薬(言い方)を服用したものの、なかなか効果が出ない。抗がん剤は中止になるし尋常じゃない痛みは引かないし...メンタルが限界だった。夫が気遣って色々声をかけてくれたのだけれど、かなり冷たく当たってしまった。絶対にしてはいけない事だと分かっていたのに、治療が始まって以来、一番気をつけていた事なのに...とめどない自己嫌悪。でも、自己嫌悪は自己満足。早く自分を整えて、きちんとした状態で夫に誠心誠意謝らなければ。そう思ってひとまず横になった。翌日、謝罪(半泣き)...許してもらえなくて良い、それだけのことをしてしまったのだから...それでも夫は優しくて、ちょっぴり嫌味を言いながら、いつも通りに接してくれたのでした。ごめんなさい夫、ありがとう夫。

次の日、熱と頭痛がすっかり引いて一安心。問題の痔にはしばらく苦しんだ。カイロを貼る温め療法を続けていて、少し楽になり出したのは10日目の事だった。良くなるのは1週間から10日という事だったので、かなり時間がかかったことになる。痛みがほぼ無くなったのはそこから2日経った頃(排便は相変わらず痛い)。でも腫れは殆ど良くなっていない。血栓そのものなのか「芯」がガッツリ残っている。腫れた分の皮が伸びて残る事はあると聞いているけれど、芯が残っている限りすぐに再発しそうで怖い...それともあれだけ痛かったのは血栓云々ということじゃなくて化膿してたってことなのかな...もうあんなつらい思いはごめんだ。やたら抗生物質に頼るのは良くないだろうけれど、骨髄抑制の時くらいは服用しても良いかな...と思ったりもする。

そういえば、先生が診察の時におでこで測る体温計をピッ!としてくれて、これは早くて便利だなあと欲しいなあと思った。結果は36.7℃。そのあと看護師さんがこっちで測ってとベーシックな体温計を持ってきて、えー今測ったのにねえなんて言っていたら...38.9℃。おでこのやつ全然ダメじゃん笑

火曜日にはまた入院。今度の入院は1日長いので今から憂鬱すぎる。早く退院したいよー!