鼓動、千々に

闘病記。あした天気になあれ。

CVポート

ポートは医学において、皮膚の下に設置される小さな医療機器。 カテーテル (プラスチックチューブ)によってポートを静脈に接続している。 皮膚の下に、セプタム (シリコン膜)があり、これを介して何度も薬物を注入したり、血液サンプルを採取することが可能となる。患者に通常の穿刺を繰り返すよりも不快感が低い場合が多い。 Wikipediaより

※CV:Central(中心) Vein(静脈)
中心静脈カテーテル:心臓に近い太い静脈に留置するカテーテルのこと。
これを用いると(中心静脈は太い静脈で血流が多いので)薬剤が希釈され、血管炎が起きにくく、高カロリー輸液を行う際に用いられる。 青森労災病院より

 

ということで、今回はCVポートを埋め込んできましたというお話。

「通常の穿刺を繰り返すよりも不快感が低い場合が多い」CVポートを入れることを決めた理由はこれ。私の血管は「見えづらい上に弱い」という、なかなか残念な代物。ルートを取るのに何回も失敗されてしまうのがつらい(痛かったり痣になったりも嫌だけど、先生や看護師さんに申し訳ないという気持ちも強い)。それから初回の抗がん剤では、微量が血管外に漏れてしまったのだけど、微量にも関わらず、これが結構な惨事だった。漏れてしまった箇所に炎症止めのステロイド注射を打たれたのだけど、これが激痛すぎて年甲斐にもなく大声で泣いてしまった。その後もステロイド軟膏をしばらくの間塗り続けなければならず、抗がん剤治療中のしんどい時期にはこの程度のことでもなかなか大変だった。その後も何度か点滴をしたけど、血管炎を起こしたりして他のルートへ挿し替えざるを得ない、そしてそれがなかなか成功しない...という負のループに何度も見舞われた。おかげで腕は痣だらけ、薬剤が漏れたところはしっかり跡が残ってしまった(痣がいつまで経っても痛いのが嫌。跡が残ったのはそんなに気にしてない)。腕に点滴が刺さっていると、漏れが怖くて動きが制限されるのも地味にストレスだったけど、それもなくなってハッピー。

という感じで、たった2回の入院でこれだけ大変な思いをした、残りの抗がん剤治療も長くなることだし、さっさと楽したいぜ!ということでポートの埋め込み手術をお願いした。1泊2日、昼ごはんは抜き(想定していなかったのでお腹が空いてしかたなかった)。局所麻酔の手術と聞いていたので「その辺の処置室でちょちょい」と思っていたけど、ガッツリ手術室に車椅子で搬入された。胸から顔まで、大きな布を被されて何も見えない状態。しかも手術道具やら何やらを顔の上に乗せられたりするので、そこそこ邪魔だった。執刀はベテラン先生と若い先生のコンビで、若い先生がメインだった。カテーテルの先が心臓近くまで(心臓に触れているわけではないけど、結構深いところまで達しているらしい)行ってしまうと、心臓が反射的に大暴れして命の危機を感じるのだけど、それが何回かあってつらかった。とはいえまな板の上の鯉、文句を言えるわけでもなく「心臓が!苦しいです!」と健気にお伝えするに留まったのであった。それから何と言っても局所麻酔。これが痛すぎる。歯医者でする麻酔。あれの1発目ってめちゃくちゃ痛いけど、それを何発も打たれる感じ。なんかぐりぐりされてるし。心臓と麻酔。1時間ほどの手術の記憶としてはこれがほとんどだった。というわけで何とか無事に手術終了。2日後にシャワーOK、入浴は1週間後からということなので、次の退院までお預け。溶ける糸を使ってくれているので、抜糸がないのがありがたい!

ひとつ怖いのは、これは完全に精神的なものなんだけど、抗がん剤って吐き気とか血管痛とか良いイメージがなくて、それが今までは腕から入ってきてたけど、顔と心臓近くから入ってくるのでは恐怖心や嫌悪感が増してしまうような気がしていること。まあ「気がしている」レベルなので気の持ちようと言ってしまえばそうなんだけど...苦笑

そういえば、今回はじめての窓際だった。f:id:hapimi:20200228115531j:image少しでも外が見えると気持ちいい。

術後の痛みとしては、「動かそうとすると痛い」くらいのものなので(それなりに不便ではあるけど)、次の入院まで束の間の自由を満喫しよう。

それでは、また。