鼓動、千々に

闘病記。あした天気になあれ。

放射線治療 終了

全33回の放射線治療がようやく終了した。2Gy*33回。放射線科のスタッフの方々には一月半の長い間、本当にお世話になりました。

尿道も膣口も肛門も鼠蹊部も皮膚炎でボロボロだ。皮膚炎の辛さを語る。それに尽きる。照射が半分あたりを過ぎた頃から出現した皮膚炎は日に日に悪化。排泄とシャワーが本当につらかった。小の方は灼けるように滲み、大の方は激痛と大量の出血。小の方は日に何度もあり、苦しいからといって水分を減らすこともできなかった。大の方は概ね1日1回だが、痛みが酷いのでスッキリ出し切ることはできない。あんなに痛い思いをしたのに常に付き纏う残便感。更に、済ませた後は必ずシャワーで洗い流す激痛に耐え、アイスノンを当ててしばらく横になっていないと腫れが引かず座ることもままならなかった。それから軟膏や膿を綺麗に洗い流すには、そこそこの強さの水圧と石鹸が必要になり、これがどちらも相当に染みる。これが毎日続くと、四六時中痛みのことで頭がいっぱいになる。精神的に追い込まれるのに時間はかからなかった。特に残り10回くらいの時期はかなり深刻で、精神崩壊寸前だった。

ここで、救世主の登場である。皮膚科の先生に痛みを相談すると「オキシコドン」という薬を処方してくれた。ロキソニン御大の上をいく、医療用麻薬である。これが本当に救世主、神であった。「1時間、間隔を開ければ何度でも飲んで良い」というトンデモ設定で、麻薬なのに大丈夫なの?という思いと、副作用の吐き気と便秘について、薬剤師の方から結構怖い説明を受けたため、使用を1日躊躇った。が、これはすぐに服用すべき代物だった。痛みは1/3程度に治まり、排泄もシャワーも何とか耐えられるレベルになった。痛みで頭が支配されることがなくなったため、生きるのが相当楽になった。が、1時間インターバルのオキシコドンは効くのが速いが効果が無くなるのも速かったので、夜中に効果が切れて痛みと痒みで目が覚める、起き抜けの排尿の痛みがつらいことが問題だった。朝イチであの痛みは...心臓に悪い。と放射線科の先生に相談したら、12時間効き目が続くタイプのオキシコドンを処方してくれた。がんには(今は放射線炎の痛みだけど)持続的な痛みと波のある痛みがあり、ベースの痛みは12時間効き目が続く方で押さえ、波のある方の痛みは小回りが効く1時間タイプで対処するのが基本的な立ち回りということらしい。それ、早く言ってよー... というわけで痛みや痒みで起こされることはなくなった。尿意で起きるのは相変わらずだが...これも皮膚炎が原因とのことで。でも、痛みが軽減されて本当に救われた。オキシコドンありがとう。

痛みは何とかなったものの、荒れ方は本当に悲惨。回復にどれくらいかかるのか...本当にボロボロなんだよ、ボロッボロなの皮膚と粘膜。というかドロッドロってレベルで荒れてる。荒れてるというか溶けてる。常に膿が止まらなくてぐちゃぐちゃで臭い。鼠蹊部も完全に皮が剥けて肉が見えちゃってるし...最後の2回くらいは病院の行き帰りですらかなりつらいレベルの荒れ具合だった。排便してないのに肛門の皮が剥けてパンパンに腫れてしまって、立つも座るも痛すぎるし...これ、本当に回復するんでしょうか...

回復まで2週間くらいを見ているらしいけれど(いやいや2週間じゃどうにもならないでしょこれ)、回復すると抗がん剤治療が始まる。転移のことを考えるとすぐにでも始めたいところではあるが、また吐き気倦怠感、食事の不自由と戦う日々が始まるのか...と思うと憂鬱だ。それも今度は半年以上の長期戦になる。がん治療中は、色んな種類のつらさが襲いかかってくるよなあ...

 

《愚痴あれこれ》

・ある看護師とのやりとり

照射前、看護師に「あと何回かな?」と訊かれたので、「あと3回、もう少しです」と嬉しさを込めて答えると、「まあ皮膚炎は終わってからしばらく続きますけど」と返された。あ?何だおめえ。喧嘩売ってんのか。

オキシコドンなかなか貰えない問題

医療用と言ってもやはり麻薬なので、取り扱いが元々少ない上に制限があるらしく、受け渡しがスムーズに進まず苛々することが多かった。散々待たされた上、ここにはないからあちらに行ってくれ、あちらに行けばここにはないと言われ...痛みでしんどいのだから振り回さないでくれ...それから薬の取り扱いが少ないことで疎外感というか、ああやっぱり私は重症なんだなと悲しくなり、メンタルがボロボロになった。

 

《メモ書きQ&A》

Q.皮膚炎について、腫瘍があった右側より左側の方がつらいのは何故?

A.右側は手術で腫瘍を摘出しているから感覚が鈍いのだと思う。また、肉が無いところより有るところの方が皮膚炎が強く出る傾向もある。見たところ、皮膚炎自体は左右同等に出ているので異常ではない。

Q.医療用麻薬(オキシコドン)すごく効いて嬉しい。でも、すぐ効き目が切れてしまう。何度も飲んで大丈夫?

A.それだけ痛みが酷いということ。もともと作用が短期ということもあるけど。痛みが治まれば飲まなくて良くなるし、麻薬と言っても依存性はないから大丈夫。

Q.照射直前に軟膏を塗ってはいけないのは何故?

A.軟膏によって厚みが出たところに、放射線が強く当たってしまうため(厚みが出るから放射線が届かなくなるということではない)。

 

さて、長きに渡って耐えてきた放射線治療がようやく終了した。毎日の通院が無くなるのが嬉しいな。次は1週間後にCT撮影。それまで存分に引き籠らせていただこう。それから早くお風呂入りたいな。少なくともあと1ヶ月は我慢。毎日の入浴が楽しみだった人間が、3月末の手術からずっと入ってないなんて信じられない...皮膚炎が回復したら、放射線治療が本当の終わりってことになるのかな。しばらく、せっせと世話を続けなければ。早く良くなれー。

 

いつの間にか、ツツジから紫陽花の季節になっていた。f:id:hapimi:20200623215014j:image一ヶ月半、本当によく頑張りました。

では、また。