鼓動、千々に

闘病記。あした天気になあれ。

抗がん剤 5回目(2/9回)

早いものでもう8月になってしまった。梅雨明け宣言がされてから、天気予報は晴れ一色だ。こんなに良い天気なら窓側はさぞかし気持ちが良いだろうな、と恨めしい気持ちを抱えながら、5回目の抗がん剤治療の入院となった。

今回は薬自体が弱めかつ量が減っていく流れになっていて、当初は6日間の入院予定だったが、調子が良ければ5日で退院できることになった。お世話になる抗がん剤は、オンコビン(1日目のみ)、コスメゲン(初、3日間)、イホマイド(2日間のみ)となっている。いつも副作用の吐き気に悩まされているが、今回は幾分楽ではないかというのが主治医の見立てである。それから、減薬の申し出もあった。私は骨髄抑制によって貧血が強めに出るタイプらしい、という話から、子供用の抗がん剤を大人が使うとその作用がかなりキツいこと、服用する量を身長と体重と表面積?かなにかで割り出すらしいが、私の場合その計算だと100%でも過剰になってしまう、90%、80%でも多いくらいだと思うが、とりあえず90%に減薬しましょうとのことだった。100%で続けると早期に治療を中断することになるだろう、それなら減薬をしてできるだけ長く治療を続ける方が賢明とのことだ。そもそも減薬をしても完走できる方が稀だとのことで...過ぎたるは及ばざるが如しということで、抗がん剤は減量をすることになった。

血栓性外痔核については、処置をするなら血球が回復している今が狙い目とのことだったが、腫れと痛みが引いてきていることもあり、軟膏を変えて様子を見ましょうということになった。抗がん剤の副作用が軽めなこともあり、先生が言う通り今回が狙い目のような気がしないでもなかったが、できることなら切った縫ったはしたくなかったので、おとなしく指示に従うことにした。

入院というのは何回しても酷く憂鬱である。ここの看護師さんは素晴らしい方ばかりなので、気持ちよく仕事をしていただけるよう、私自身良い患者で在ろうと心掛けている。でも、内心は酷い憂鬱を抱えていて、誰とも話したくないと塞ぎ込んでいる。それを見せないようにするのが、最近とてもしんどくなってきている。日毎の担当のご挨拶、1日何度もある検温と血圧測定、ご飯の声掛けなどなど...会話をする機会がたくさんある。正直なところ、全部面倒くさい。担当は誰でも良いし(良い人ばかりなので)検温も血圧も勝手に測って欲しいしご飯は置いておいてくれれば食べるし...それから事故防止で事あるごとにフルネームを言わされるけれど、じゃあこのリストバンドは何のために付けているのと思う。フルネーム言う→リストバンドバーコード読み取り、のダブルチェックが大事なんだよね、分かっています。が、本当に事あるごとなので面倒くさい...私は元々決して感じの良い人間ではないので、それっぽく見せるのは本当に気力が要る。元々の性格がこれなのに、副作用が出るといよいよ良い人で居続けることが難しくなる。ボロが出るのも時間の問題かな...

今回の入院は同室の患者にも恵まれなかった。斜め前が騒音おばさんだった。とにかく声がでかい。独り言が激しく、四六時中ずーっと何か呟いている。入院中は基本耳栓を付けっぱなしにしているんだけれど、余裕で貫通してくる。これはかなりのストレス。看護師さんが結構な頻度で様子を見に来るんだけれど、声がでかいからそのやりとりも筒抜けで、聞きたくもないことを聞かされるものだから、放っときなさいよ...と思ってしまう(無茶言うな。でも、◯◯さ〜ん!って元気よく病室に突入してくるのは切実にやめて欲しいと思う。自分でも他人でもびっくりするんだよ...いつも)。手術?処置?で不在だった2時間がものすごーく平和だったんだけど、戻ってきたらそりゃもう大騒ぎでうんざり...極め付けは深夜に動画を見出したり(何故か放射線治療の説明動画)、朝4時にテレビを見出したり。どちらもイヤホンなしでガンガン音声が流れており、無視して寝ようと努力するも何度も起こされたので、看護師さんに注意してもらった。すぐに音は止んだものの、悪びれる様子は全くなし。本当にどういう神経してるんだか。睡眠不足がどれだけ治療に悪影響かは何度も書いたことなので省略するけれど、看護師さんもよく分かってくれているようで、本当にごめんなさいと何度も謝ってくれた。いや、看護師さんが謝る事では全くないし、そんな事で(私が言い出した事だけど)ストレス溜めないでくださいと頭を下げたくなった。その後、隣の部屋に空きがでたため私が引っ越せそうだとの打診があり、更にその後、おばさんが治療の関係で病室を移る事になった。病室を移動する時もそれはそれは騒がしかったが、その分居なくなってからの開放感が凄まじかった。ああいう生活音がうるさい人は本当に受け付けない。私はあんなモンスターではないけれど、夫との生活や入院中、気を付けようと思った。その後はずっと病室独り占め。気を遣ってくれたのだろうか...

なんやかんやで今回の入院もどうにか終了。入院前にお通じがあって以来、1度も出ない重度の便秘や、猛烈な吐き気、くしゃみからのえずきが止まらず困った。薬は軽いはずなのに、重くなっていく副作用...先生に心配だなあと言われながらの退院。そういえば、前回の高熱では白血球・好中球・炎症反応のどれもが、即入院してもおかしくないくらいの数値だったらしい。痔以外元気といえば元気だったんだけどなあ。ともあれ、今回はめまいが出なかったのが良かったのだけれど、帰り道が暑すぎて何度か目の前がチカチカした。どうにか辿り着いた玄関で腰を下ろし、自分はどうしてこうなってしまったのだと少し泣いた。

近所でヒマワリが咲いていた。ヒマワリ好き。f:id:hapimi:20200805145712j:image※背景が映り込んでしまったので、適当な画像を拝借。

次の入院まで暫しのお暇。ゆっくりすることにします。