鼓動、千々に

闘病記。あした天気になあれ。

抗がん剤 6回目(3/9回)

入院の前日は、どうしていつもこう眠れないんだろう。試験勉強をみっちりして、頭は疲れて眠いはずなのに、眠れたのはたったの2時間ほどだった。抗がん剤は体力を使うので、できるだけ寝ておきたかったのだけれど...というお決まりの流れで今回の入院もスタートした。

最近は、家から最寄り駅までもタクシーを使うようになった。体力が落ちに落ちてしまったのと、骨髄抑制による貧血と酷暑とのトリプルパンチで、あの短距離ですらどうにもならなくなってしまった。コロナは怖いけれど駅まで辿り着けないのでは話にならない。タクシーを呼ばなければならないので、アプリを使うようになった。車種が選べるし(Japan Taxiという、少し背の高い車種だと乗り降りやキャリーケースの運び入れがとても楽)、決済もネットでできるのがめちゃくちゃ便利だ(今だに現金決済だけのタクシーほんとなんなの)。そんなに余裕があるわけではないけれど、お金をかけて楽ができるなら進んでやっていきたいと思う。これだけ頑張ってるのだから、できるだけ自分を甘やかしてあげたい。

入院初日は採血や治療方針の説明だけ(といっても結構忙しいのだけれど)。抗がん剤はないので点滴に繋がれることがなく、デイルームや売店への行き来は自由。なので今回は初日の昼夜は病院食をキャンセルして、売店で買ったものを食べることにした。少しでも「入院してる感」を減らしたかった。この日は晩ご飯をデイルームで済ませ、20時くらいまでテレビを見て過ごした。

入院手続を済ませたら、入院中の飲み物をまとめて買いに行くのだけれど(抗がん剤始まったら基本病室にいなければならない)、シャインマスカットのサンドイッチを発見。f:id:hapimi:20200825110002j:image全然美味しそうに撮れてなくて笑ってしまうんだけれど、とっても美味しかった。見つけた時、400円は高いなと思ったんだけど、食べてみたら全然そんなことなかった。シャインマスカット大好きなので、コージーコーナーのケーキも早く食べたいし、退院したら美味しいシャインマスカットを取り寄せたいとも思っている(生モノokのタイミングが激しく微妙なので難しいけど...)。

初日は大部屋が満室で、4人もいると誰かに何かしらの用事で看護師さんやら薬剤師さんやらがひっきりなしに出入りしていた。これが本当に落ち着かない(それが大部屋というもの)。特につらかったのは隣の人が看護師さんと話し込んだタイミングで、その看護師さんの声がかなり通る声だったこと。カーテン越しなのに耳がキンキン。ここまで騒がしいのは久しぶりだったので少し面食らったが、耳栓をつけてるとだいぶ落ち着いた。前日眠れていなかったのが響いて、いつの間にか眠りに落ちていた。すぐ後にシャワーの予約を入れていたのでほんの短時間だったけれど、シャワーのためにセットしたアラームで起きる、でも夢の中でした、ということが何度も繰り返されて、これはもう永遠に起きられないのではないかと思った。耳栓とアイマスクは睡眠にとっておきのアイテムだけれど、起きるのになかなか苦労する。朝の点灯も目覚ましの音もほとんど感じないからね。それから皆さま結構な頻度で部屋のトイレに行くもので、今回ありがたいことに窓際だったんだけど、トイレ近くのベッドだったらストレス半端じゃなかっただろうなと思った...良かった...

2日目も抗がん剤治療、3日目は流しの点滴と輸血があった。貧血の進みが早く、2週間後に試験がある関係で輸血してもらうことになった。献血をしてくれている人には感謝しかない。今回は吐き気や目眩は少なくて済んだ。新しい眠剤が変に効いて、午前中意識がなくなる勢いで寝てしまったということはあったけれど。

今回は退院の時に夫が付き添ってくれる。前回と前々回は仕事のスケジュールが合わずで1人で帰宅したけれど、正直つらくて不安で仕方なかった。なので今回はとても心強いしありがたい。仕事帰りに疲れているところ本当に申し訳ないんだけれど、甘えさせてもらおうと思う。

 

 

放射線が終わったら、9回入院して抗がん剤を投与する流れになっている。今回の入院で3回目。1/3を終えたことになる。心情的には、ほんの少しの達成感と圧倒的なトラウマというバランス。入院は毎回憂鬱だし、退院したからといってすぐに元気になるわけじゃない。副作用に慣れることはないし(むしろどんどん強くなっていく)、気力も体力も奪われて、自分が病人(しかも厄介めの)であると嫌でも自覚させられる。という具合に、やっぱりトラウマだらけなのである。

残り6回。ただ、治療内容的に身体が持たず完走できないこともある、というかやりきれない方が可能性としては高いのだそうだ(6回まではなんとかやりたいとのこと)。代謝が良い子どもの治療のため、代謝が悪い大人だとかなりしんどいことになるらしい。抗がん剤は嫌で嫌で仕方ないし、治療をやめてしまいたいという思いは常々強くあるけれど、できることなら、つらいと言いながらでも治療は完走したい。

 

引き続き頑張ろうね、私。

それでは、また。